朝のこわばり、関節の腫れ…それは「体質」ではなく、早期治療が必要な全身の病気かもしれません。

関節リウマチとは?
「朝起きたときに手が動かしにくい」「指の関節が腫れて熱を持っている」といった症状に悩まされていませんか?
関節リウマチは、自分の免疫が誤って関節の滑膜(かつまく)を攻撃し、全身の関節に炎症と腫れを引き起こす自己免疫疾患です。
炎症が慢性化すると、軟骨や骨を徐々に破壊し、関節の変形、機能障害、そして最終的には日常生活動作の著しい制限を招きます。
リウマチの厄介な点は、関節だけでなく、肺や血管、目など全身の臓器にも影響を及ぼす全身性の病気である点です。
ならしの共生クリニックでは、内科医としての全身管理の知見と、整形外科医としての関節評価・機能維持の知見を統合し、早期診断と、疾患活動性を抑える最適な薬物療法をご提案します。
なぜ「関節リウマチ」の早期診断と早期治療が重要なのか?
関節破壊が進行する前に、活動性をコントロールするために
関節リウマチの治療の鍵は、発症後できるだけ早く(特に発症から2年以内)治療を開始し、疾患の活動性を完全に抑え込むことです。
リウマチによる関節の破壊は、発症後数年間で急速に進行すると言われています。
早期に強力な薬物療法(メトトレキサート、生物学的製剤、JAK阻害薬など)を開始することで、関節破壊の進行を食い止め、寛解(症状が完全に治まった状態)を目指すことが可能になります。
診断が遅れると、すでに変形が始まってしまい、薬物療法だけでは機能回復が困難になるリスクが高まります。
「素朴な疑問」をスッキリ解消:関節リウマチQ&A
- 関節炎と関節リウマチはどう違いますか?
-
関節炎は、関節の炎症全般を指す言葉であり、関節リウマチはその「原因」が自己免疫にある、特定の病名です。
痛風や偽痛風、変形性関節症などでも関節炎は起こりますが、関節リウマチは以下のような特徴的な違いがあります。項目 関節リウマチ (RA) 痛風・変形性関節症など 症状の出方 左右対称に、特に手指の関節(指の付け根や真ん中)に起こる。 片側、または特定の関節(足の親指、膝など)に起こることが多い。 特徴的な症状 朝のこわばりが30分以上続く。 局所の激痛(痛風)、動作時の痛み(変形性)。 血液検査 リウマトイド因子、抗CCP抗体が陽性になることが多い。 尿酸値上昇(痛風)、炎症反応上昇など。 - 薬を飲み続けなければいけないのですか?
-
薬物療法の目標は、「寛解」(症状も炎症も完全にコントロールされた状態)を維持することです。
自己判断で薬をやめてしまうと、ほとんどの場合で炎症が再燃し、再び関節破壊が進行してしまいます。
治療がうまくいき寛解が長く続いている場合は、医師の判断で薬の量を徐々に減らす(減量)ことが可能ですが、完治という概念が難しいため、寛解維持のために継続的な管理が必要です。
関節リウマチ診療の安心3ステップ
早期診断、全身管理、そして最適な薬物療法で「寛解」を目指します。
早期の正確な診断と活動性評価
初期症状を見逃さず、リウマチの活動度を正確に評価します。
まず、朝のこわばりの有無や持続時間、関節の腫れや痛みの部位・期間、全身症状(微熱、倦怠感など)を詳細に問診いたします。
その上で、血液検査でリウマトイド因子や抗CCP抗体といった特異的な抗体をチェックし、CRP(炎症反応)を確認します。
また、エコーやX線検査で関節の滑膜の炎症や骨破壊の初期兆候を評価し、国際的な基準に基づいた正確な診断と疾患活動性評価を行います。
目標達成に向けた薬物療法
当院では、ただ痛みを取るだけでなく、リウマチという病気の進行を根っこから止めるための治療を大切にしています。
まずは、皆様が「痛みなく、以前と同じように暮らせる」という明確なゴールを一緒に決めることから始めます。
その上で、リウマチ治療のスタンダードであり、最も信頼されている「メトトレキサート」を中心に使い、関節の中で起きている「火事(炎症)」をしっかり消し止めていきます。
薬を調整する際は、内科的な視点で体全体の健康状態を常に見守り、副作用が出ないよう一人ひとりに合わせた「オーダーメイドの管理」を徹底しますので、安心してお任せください。
関節機能維持のためのサポートと全身管理
症状安定後も、関節の機能維持と全身合併症の予防に努めます。
薬物療法で炎症が落ち着いた後も、関節の機能回復を助けるためのリハビリテーション指導を行います。
また、リウマチ治療薬は免疫抑制作用を持つものもあるため、感染症の予防(ワクチン接種など)や、骨粗鬆症の合併予防など、内科的な全身の管理を継続します。
関節の変形が進行し、人工関節置換術などの外科的処置が必要な場合は、リウマチ治療に精通した専門病院へ連携いたします。
関節リウマチをコントロールする「3つの生活のヒント」
治療の効果を高め、関節の負担を減らすための日々の注意点をご紹介します。
1. 「手先の安静」と関節への負担軽減
- 痛みや腫れがあるときは、無理に関節を動かさず安静にすることが、炎症を鎮める最優先事項です。
- 重いものを持ったり、指を強く使う作業を避け、調理器具や文具などを工夫して関節に負担をかけない使い方を意識しましょう。
2. 禁煙の徹底と栄養バランス
- 喫煙は、関節リウマチの発症リスクを高めるだけでなく、治療効果を低下させ、関節破壊を加速させることが知られています。直ちに禁煙を徹底してください。
- 栄養バランスを整え、特に炎症を抑える作用があると言われるオメガ3脂肪酸(魚などに含まれる)の積極的な摂取も検討しましょう。
3. 継続的な体温管理と感染症予防
免疫を調整する薬を服用している場合、感染症にかかりやすくなることがあります。
日常的な手洗い・うがいを徹底し、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種について医師と相談しましょう。また、冷えは痛みを増強させるため、体温管理にも注意が必要です。
こんなサインを見つけたら
「年のせい」と諦めずに、すぐにリウマチの専門的な診断を受けてください。
- 朝、手がこわばって動かしにくい状態が、30分以上続く。
- 手足の指の関節が、左右対称に腫れて熱を持っている。
- 関節痛とともに、微熱や全身の倦怠感が続いている。
これらのサインがあれば、すぐに当院にご相談ください。早期診断と早期治療が、患者様の未来の関節を守ります。
ならしの共生クリニックは、地域の皆様のリウマチ治療を全力でサポートし、寛解維持を目指します。