「ただの捻挫」と放置していませんか?再発を防ぐための正しい診断と治療が重要です。

靭帯の損傷を見過ごさない
足首をひねった、転倒した、といった際に生じる「捻挫」は、関節に強い外力が加わることで、関節を支えている靭帯や関節包(かんせつほう)が損傷するケガです。
特にスポーツ活動中や日常の段差で起こりやすい足首の捻挫(足関節捻挫)は、多くの人が経験しますが、「すぐに治る」と軽く見られがちです。
しかし、靭帯の損傷を正しく評価せずに放置すると、関節の不安定性が残り、捻挫を繰り返す「慢性的な不安定症」へ移行し、将来的に変形性関節症などの重い疾患を引き起こすリスクがあります。
ならしの共生クリニックでは、内科的な知見に基づき全身の状態を考慮しつつ、適切な画像診断とリハビリテーション指導により、単なる痛み止めで終わらない再発予防を重視した治療をご提案します。
なぜ「初期の正しい診断」が重要なのか?
靭帯損傷の評価と骨折の見逃しを防ぎ、後遺症なく治すために
捻挫の治療の鍵は、靭帯の損傷度合いを正確に特定することと、骨折の有無を見逃さないことです。
捻挫直後に適切な治療(RICE処置や固定)を開始すれば、靭帯の修復を促し、不安定性を残さずに治癒させることが期待できます。
また、強い腫れや痛みがある場合、靭帯損傷だけでなく、腓骨(ひこつ)や距骨(きょこつ)などの骨折が合併している可能性もあります。自己判断で様子を見るのではなく、早期に正確な鑑別診断を受けることで、治療期間が長期化したり、手術が必要になったりする事態を防げます。
「素朴な疑問」をスッキリ解消:捻挫Q&A
- 捻挫した直後、家で何をすれば良いですか?
-
捻挫の応急処置の基本であるRICE処置をすぐに行ってください。
処置 内容 目的 Rest(安静) 患部を動かさず、体重をかけない 損傷の拡大を防ぐ Ice(冷却) 氷嚢などで患部を冷やす(15〜20分) 両側の肩、首全体に広がる Compression(圧迫) 弾性包帯などで適度に圧迫する 内出血や腫れを抑える Elevation(挙上) 患部を心臓より高く上げる 腫れを軽減する - 湿布を貼れば治りますか?
-
湿布は炎症や痛みを和らげる効果はありますが、靭帯の損傷自体を治すわけではありません。
特に靭帯が部分断裂している場合(グレードII以上)は、サポーターやギプスによる適切な固定や、その後のリハビリが必須となります。湿布だけで済ませてしまうと、靭帯が緩んだ状態で治癒し、関節が不安定になってしまうリスクが高まります。
捻挫診療の安心3ステップ
損傷度に応じた正しい固定とリハビリで、完全治癒を目指します。
損傷度の正確な評価と鑑別診断
靭帯の損傷度合いと、骨折の有無を正確に評価します。
まず、受傷時の状況や痛みの部位、腫れの程度などを詳細に問診いたします。
その上で、徒手検査で靭帯の緩み(不安定性)を確認し、必要に応じてX線(レントゲン)検査やエコー(超音波)検査を行い、骨折の有無や靭帯の損傷レベル(グレードI〜III)を調べます。
捻挫の重症度は、靭帯の損傷の程度によってグレードI(軽度:靭帯の微細な損傷)、グレードII(中度:靭帯の部分的な断裂)、グレードIII(重度:靭帯の完全な断裂)の3段階に分けられます。軽度なグレードIは主に安静で済みますが、中度以上のグレードでは、関節の不安定性を防ぎ、再発リスクを低くするために、適切な固定が非常に重要になります。
これらの検査により、原因と重症度を正確に特定し、患者様に合わせた最適な治療計画へと繋げます。
損傷度に応じた固定と炎症の管理
靭帯の修復を促すための適切な治療を講じます。
軽度な損傷(グレードI)には、湿布や内服薬、サポーターでの固定を指導し、経過観察を行います。
中度〜重度の損傷(グレードII以上)に対しては、ギプスやシーネなどを用いた適切な期間の固定を実施します。これと並行して、内服薬や外用薬で炎症と痛みをコントロールし、早期の症状緩和を目指します。
機能回復のためのリハビリテーションと再発予防
固定期間終了後も、筋力・バランス能力の回復、そして再発予防に向けた対策を検討することが重要です。
固定が取れた直後は関節が硬くなっているため、まずは可動域を回復させるための運動指導を行います。
その後、損傷した靭帯を周囲の筋肉でサポートするための筋力トレーニング、特にバランス訓練(不安定な板の上での片足立ちなど)を含む固有受容感覚(バランス感覚)のトレーニングを行い、関節の不安定性を解消し、捻挫の再発を防ぐための指導を徹底します。
捻挫をコントロールする「3つの生活のヒント」
完全治癒と再発防止のために、日々の生活でできる対策をご紹介します。
1. 医師の指示を守りつつ「過度な安静」を避ける
- 痛みが引いても、靭帯が完全に修復するまでは数週間から数ヶ月かかります。自己判断で固定を外したり、急にスポーツを再開したりすることは、再発の最大の原因となります。
- 医師の指示を守り、安静期間が終了した後は、怖がって動かさずに筋力低下を招くような「過度な安静」を避け、積極的にリハビリテーションに取り組みましょう。
2. テーピング・サポーターの活用
- 治療が一段落した後も、運動時や長時間の歩行時には、再発予防のためにサポーターやテーピングで関節を補助することが有効です。
- 自分の症状や運動量に合った、適切なサポーターの選び方や、正しいテーピング方法について指導いたします。
3. バランス感覚(固有受容覚)のトレーニング
- 捻挫によって低下したバランス感覚を取り戻すことは、再発防止に最も重要です。
- 痛みがなくなった後も、不安定な場所での片足立ち訓練や、ゴムバンドを使った筋力強化運動などを継続し、関節を周囲の筋肉でしっかりと支えられるよう体質改善を目指しましょう。
こんなサインを見つけたら
「いつもの捻挫」だと我慢せずに、お早めにご相談ください。
- 捻挫直後に体重がかけられないほどの強い痛みがある。
- 患部が異常に腫れて、内出血(紫色)が見られる。
- 過去に捻挫をした足首が、頻繁にぐらつく、またはひねりやすいと感じる。
これらのサインがあれば、効率的で効果的な治療を行うことができます。気になる症状があれば当院にご相談ください。
ならしの共生クリニックは、地域の皆様が後遺症なく、スポーツや日常生活に復帰できるようサポートします。