首の痛みだけでなく、手のしびれや力が入らない症状は、首の神経圧迫が原因かもしれません。

頸椎椎間板ヘルニアとは?
首の骨(頸椎:けいつい)は7つの椎骨(ついこつ)が積み重なってできており、その間にはクッションの役割を果たす椎間板(ついかんばん)があります。
頸椎椎間板ヘルニアは、加齢や長時間の不良姿勢、外傷などにより、この椎間板の一部が飛び出し、近くを通る脊髄(せきずい)や神経根(しんけいこん)を圧迫することで、様々な症状を引き起こす疾患です。
症状は、首や肩甲骨周辺の痛みだけでなく、片方の腕や手、指先に広がるしびれや、筋力低下(力が入りにくい)として現れることが特徴です。進行すると、足にも影響が出て歩行障害に至るリスクもあります。
ならしの共生クリニックでは、正確な診断に基づき、まずは生活指導や薬物療法といった保存的治療を徹底し、症状の早期改善と再発予防を目指します。
なぜ「頚椎椎間板ヘルニア」の早期診断と初期治療が重要なのか?
しびれの原因を特定し、適切な治療法を選択するために
手や腕のしびれの原因は、頸椎椎間板ヘルニアの他に、手根管症候群などの末梢神経障害や、脳疾患など、様々なものがあります。
頸椎椎間板ヘルニアの診断が遅れると、神経の圧迫が続き、不可逆的な麻痺(まひ)に至るリスクが高まります。
正確な画像診断と神経学的検査により、どの高さの椎間板が、どの神経を圧迫しているかを特定することが、治療の効果を左右します。
また、手術を回避できるか、それとも早期手術が必要かを判断するためにも、専門的な評価が不可欠です。
「素朴な疑問」をスッキリ解消:頸椎椎間板ヘルニアQ&A
- どのような姿勢がヘルニアを悪化させますか?
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最も椎間板に負担をかける姿勢は、長時間「うつむく」姿勢です。
スマートフォンを見る、パソコン作業をする際に、頭を前に突き出すような姿勢(ストレートネック)は、首の後ろの筋肉を緊張させ、椎間板に大きな圧力をかけ続けます。
特に、猫背になりながら顎を前に突き出す姿勢は、ヘルニアの症状を悪化させる主な原因の一つです。 - しびれは治りますか?
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ほとんどの頸椎椎間板ヘルニアは、保存的治療(安静、薬、リハビリ)で症状が改善します。
飛び出した椎間板は、炎症が治まるとともに自然に小さくなったり、吸収されたりすることがあるためです。
しかし、筋力低下や麻痺が進行している場合、または激しい痛みが続く場合は、手術が必要になることがあります。
大切なのは、神経が圧迫されている時間を短くすることです。
頸椎椎間板ヘルニア診療の安心3ステップ
原因の特定、痛みのコントロール、そして症状改善に向けた生活指導を徹底します。
症状の詳細な評価と画像診断
しびれの原因が頸椎にあることを特定し、圧迫部位を特定します。
まず、しびれや痛みがどの指・手の部位に出ているか、どの動作で悪化するか、筋力低下の有無などを詳細に問診いたします。
これにより、圧迫されている可能性のある神経根のレベル(C5〜T1など)を推測します。
診断には、骨の変形や配列を確認するX線(レントゲン)検査に加え、ヘルニアの飛び出し具合、脊髄や神経根の圧迫状況を正確に評価するためのMRI検査が特に重要となります。
症状に応じた保存的治療の選択
まずは手術を避け、保存的治療から開始します。
- 薬物療法
炎症や痛みを抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、神経の興奮を抑える神経障害性疼痛治療薬、筋肉の緊張を緩める筋弛緩薬などを使用します。 - 物理療法・リハビリテーション
首の牽引療法、温熱療法、そして正しい姿勢を維持するための体操指導や、首・肩周囲の筋緊張を緩和する運動療法を行います。 - 神経ブロック
強い痛みで日常生活に支障がある場合は、神経周囲に局所麻酔薬やステロイドを注射する神経ブロックを行い、痛みの連鎖を断ち切ります。
外科的治療への移行判断と連携
保存的治療で改善しない、または麻痺が進行する場合は、手術も検討します。
保存的治療を一定期間(通常は数週間から数ヶ月)行っても症状が改善しない場合、特に筋力低下や麻痺が進行している場合、排尿・排便障害(脊髄の重度圧迫のサイン)がある場合は、神経の解放を目的とした外科的治療(手術)が必要となります。
その際は、連携している脊椎専門の高度医療機関へ速やかにご紹介し、専門的な治療を受けていただきます。
頸椎椎間板ヘルニアをコントロールする「3つの生活のヒント」
首への負担を減らし、症状の改善と再発防止につながる日々の対策をご紹介します。
1. 正しい姿勢の意識と環境の調整
顎を引き、背筋を伸ばす正しい姿勢を常に意識しましょう。
パソコンのモニターは視線よりやや下にくるように高さを調整し、スマートフォンを使う際は、目線の高さまで持ち上げるなど、首を曲げすぎない工夫が必要です
2. 首周りの筋肉を温めて緩める
首や肩周りの筋肉の緊張は、痛みを増強させます。
ホットタオルや入浴で首元を温めることで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることは非常に有効です。
ただし、急性期で強い熱感がある場合は冷やした方が良いこともあります。
3. 寝具(枕)の選び方を見直す
就寝中の姿勢は、一日のうちで最も長く続く姿勢です。
高すぎる枕や柔らかすぎる枕は、首に負担をかけます。
首の生理的なS字カーブを保てる高さで、寝返りがしやすいように頭を安定させる形状の枕を選ぶことが重要です。
このページを監修した医師
菅田 安男 すがた やすお
専門分野
整形外科
プロフィール
出身
千葉県市川市
趣味
- ガーデニング
- テニス
- ランニング
こんなサインを見つけたら
手足のしびれを「単なる血行不良」と放置せずに、お早めにご相談ください。
- 首を反らしたり、傾けたりする動作で、腕や手に電気が走るような鋭い痛みやしびれが生じる。
- 手の力が入りにくく、物を持つときに落とすことが増えた。
- 両手足がしびれる、歩きにくいなど、全身の症状が出ている。
これらのサインがあれば、すぐに当院にご相談ください。早期の診断と治療が、神経の機能を守ります。
ならしの共生クリニックは、地域の皆様の神経症状と機能回復を全力でサポートします。