肩腱板断裂「切れても諦めない」!リハビリで機能を回復させる専門治療

肩腱板断裂とは?
肩の痛みや動きの制限は、「五十肩(肩関節周囲炎)」として自己判断されがちですが、特に急激な機能低下や激しい夜間痛を伴う場合、その背景には肩腱板断裂が潜んでいる可能性が高いです。
肩腱板(けんばん)は、棘上筋、棘下筋など4つの筋肉の腱の総称で、肩関節の安定性とスムーズな運動に不可欠な役割を果たしています。
腱板断裂とは、加齢による腱の変性や、スポーツ、転倒などの外傷が主な原因で、この腱板の一部または全部が切れてしまう状態を指します。
腱が切れることで、腕を上げるための力が効率よく伝わらなくなり、肩の機能不全を引き起こします。
この疾患は、自力で腕を上げる動作が困難(自動運動の制限)になる一方で、他人に支えてもらえば腕が上がる(他動的運動は比較的可能)という特徴があります。
断裂を放置すると、断裂部が拡大し、手術が必要になったり、肩の機能が恒久的に損なわれたりするリスクがあります。
ならしの共生クリニックでは、正確な診断に基づき、まずは生活指導や薬物療法といった保存的治療を徹底し、残存機能の最大限の活用とリハビリテーションによる機能回復を目指します。
なぜ「腱板断裂」の早期診断と早期治療が重要なのか?
腱板断裂の治療は、損傷の程度により大きく方針が異なります。正確な診断が、肩の機能を将来にわたって守る鍵となります。
五十肩との鑑別はもちろん、断裂が軽度で保存的に治療可能か、それとも進行性の断裂で早期手術が必要かを判断するため、断裂のサイズと程度を正確に特定することが極めて重要です。
断裂の拡大を防ぐためにも、専門医による早期の評価が不可欠です。
腱が切れていても、残存する腱や周辺の筋肉を強化することで、肩の安定性を高め、機能を回復させることが可能です。
当院では「切れても動く肩」を目指し、断裂部位に合わせた専門的なリハビリテーション戦略を早期に立案します。
「素朴な疑問」をスッキリ解消:肩腱板断裂Q&A
- 五十肩と肩腱板断裂の違いは何ですか?
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五十肩(肩関節周囲炎)は、関節包の炎症により、自力でも他人に支えてもらっても腕が上がりにくくなります(他動的運動も制限される)。
一方、肩腱板断裂は腱が切れているため自力で腕を上げるのが困難になりますが、力を抜いた状態であれば、他人に支えてもらうと腕は比較的上がります(他動的運動は保たれることが多い)。
正しい治療法を選択するため、自己判断せずに、正確な画像診断を受けることが重要です。
- 腱板が切れてしまっても、手術せずに治りますか?
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腱板が完全に断裂している場合、自然に元の状態に戻ることは困難です。
しかし、断裂が部分的であったり、断裂部の大きさが小さい場合は、手術をせずに機能回復を目指すことが可能です。
この際、痛みをコントロールしながら、残っている腱の機能を強化する専門的なリハビリテーションを徹底的に行うことが不可欠です。
当院では、患者様の断裂の程度と生活背景に基づき、手術の必要性を慎重に判断します。
肩腱板断裂診療の安心3ステップ
ならしの共生クリニックでは、正確な診断、痛みのコントロール、そして機能回復のためのリハビリテーションを徹底します。
症状の詳細な評価と画像診断
断裂の有無、程度、そして周辺組織の損傷を特定し、治療計画を立案します。
問診や専門的な徒手検査に加え、診断には、腱板の損傷状況や断裂サイズを正確に評価するためのMRI検査や超音波(エコー)検査が特に重要となります。
また、骨の変形や関節の状況をX線検査で確認します。
症状に応じた保存的治療の選択
まずは手術を避け、肩の機能回復を目指す治療を優先します。
治療はまず保存的治療から開始します。
- 薬物療法・注射療法
炎症や痛みを抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や神経ブロック、ヒアルロン酸注射などを使用し、リハビリテーションがスムーズに行える環境を整えます。 - リハビリテーション
腱板断裂の保存的治療において最も重要なステップです。
専門の理学療法士が、断裂した腱以外の筋肉(特に三角筋や残存腱)を強化し、肩の安定性を高めるための運動療法を個別指導します。
外科的治療への移行判断と連携
保存的治療で改善しない、または断裂が進行する場合は、手術も検討します。
断裂が大きく機能不全が強い場合、または数ヶ月程度の保存的治療で痛みが改善せず、日常生活に支障をきたす場合は、腱の縫合を目的とした外科的治療が必要となります。
その際は、連携している肩関節専門の高度医療機関へ速やかにご紹介し、専門的な治療を受けていただきます。
肩腱板断裂をコントロールする「3つの生活のヒント」
肩の負担を減らし、治療効果を高めるための日々の対策をご紹介します。
1. 就寝時の体位調整で夜間痛を軽減
患側の肩を下にして寝るのを避け、バスタオルやクッションを脇の下に挟むことで肩への圧迫を減らし、安定させることが、夜間痛の軽減に非常に有効です。
2. 医師の指示に従い、痛みがない範囲で動かす
痛みが強い急性期を除き、肩を全く動かさないでいると関節が固まり(拘縮)、回復が遅れます。
痛みのない範囲で、専門家の指導に従い、積極的に肩の可動域を維持する運動を取り入れてください。
3. 頭上での作業や重いものの持ち運びを避ける
治療期間中は、頭より高い位置に腕を上げる動作や、重いものを急に持ち上げる動作は、切れた腱に大きな負担をかけ、断裂拡大の原因となります。
日常生活では、極力肘から下の動作で済むように、環境を調整しましょう。
このページを監修した医師
菅田 安男 すがた やすお
専門分野
整形外科
プロフィール
出身
千葉県市川市
趣味
- ガーデニング
- テニス
- ランニング
こんなサインを見つけたら
肩の痛みや機能不全を「ただの疲れ」と放置せずに、お早めにご相談ください。
- 転倒してから、または重いものを持った後から、急に腕が上がらなくなった。
- 夜間、肩の激痛で目が覚め、寝付けない。
- 自力では腕が上がらないが、他の人に支えてもらうと腕は比較的上がる。
これらのサインがあれば、すぐに当院にご相談ください。早期の診断と専門的なリハビリテーションが、肩の機能を守ります。
ならしの共生クリニックは、地域の皆様の運動機能回復を全力でサポートします。